「春だから虫は少ないでしょ?」
そう思って油断した結果、ブヨに20箇所以上刺されて地獄を見たのが、15年前の私です。
5月のGWキャンプ。渓流沿いのキャンプ場で半袖半ズボンで過ごしていた私は、帰宅後に悲劇を知りました。両足がパンパンに腫れ上がり、1週間以上続いた激しい痒み。仕事にも支障が出るほどでした。
この記事では、私と同じ失敗をしてほしくないという思いから、春キャンプで本当に効果のある虫対策をお伝えします。

春の虫が夏より厄介な理由
春は「まだ大丈夫」と油断しやすく、対策が甘くなりがち。しかしブヨの活動ピークは4〜6月。渓流沿いでは夏より春のほうが被害が深刻になることも珍しくありません。
春キャンプで遭遇する虫 完全リスト
蚊(4月下旬〜)
気温15℃以上で活動開始。朝夕〜夜間に活発。足首やふくらはぎなど皮膚の薄い部位を狙います。汗をかいた後や飲酒後は特に刺されやすくなります。
ブヨ(4月〜6月がピーク)★最重要
春キャンプ最大の脅威。体長2〜4mmと小さく、羽音もしないため気づきにくい。蚊と違い皮膚を噛み切って吸血するため、翌日にかけて症状が悪化。患部がパンパンに腫れ、1〜2週間痒みが続くことも。
渓流や清流の近くに多く生息し、朝夕の涼しい時間帯に活発になります。
アブ(5月〜)
体長1〜1.5cmと大きく、日中に活発。黒や濃い色の服、汗の匂いに反応します。刺された瞬間に激しい痛みを感じ、出血を伴うことも。
マダニ(3月〜11月)
感染症リスクが最も高い虫。ライム病や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を媒介する可能性があります。草むらや藪に生息。噛まれたら絶対に自分で取らず、皮膚科を受診してください。
その他
ハチ:春は巣作り時期で攻撃的。甘い飲み物に注意。
毛虫:触れると激しい痛み。子どもが触らないよう注意。
時期別・場所別 虫リスク表
月別リスク
| 時期 | 蚊 | ブヨ | アブ | マダニ |
|---|---|---|---|---|
| 3月 | ★☆☆ | ★☆☆ | ☆☆☆ | ★★☆ |
| 4月 | ★★☆ | ★★★ | ★☆☆ | ★★★ |
| 5月(GW) | ★★★ | ★★★ | ★★☆ | ★★★ |
| 6月 | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
GWはブヨのピークと重なるため、渓流沿いでは万全の対策が必要です。
場所別リスク
| 場所 | ブヨ | 蚊 | アブ | マダニ |
|---|---|---|---|---|
| 渓流沿い | ★★★ | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ |
| 林間サイト | ★★☆ | ★★★ | ★★☆ | ★★★ |
| 草原・芝生 | ★☆☆ | ★★☆ | ★★★ | ★★☆ |
| 高原(1000m以上) | ★☆☆ | ★☆☆ | ★☆☆ | ★★☆ |
標高1000m以上は比較的安全ですが、完全ではありません。
虫に刺されない7つの鉄則
鉄則1:場所選びで8割決まる
水辺を避け、標高を上げる。渓流から100m以上離れたサイトを選び、可能なら標高1000m以上のキャンプ場を。
鉄則2:時間帯を意識する
ブヨは朝夕、アブは日中、蚊は夕方〜夜間に活発。テント設営・撤収は日中に行いましょう。
鉄則3:長袖長ズボンは基本
袖口・裾口はしっかり閉じ、首元はネックゲイター、足首は長めの靴下でガード。
鉄則4:色選びを侮るな
避ける色:黒、濃紺、赤、青
推奨色:白、ベージュ、黄色
ブヨやアブは黒い色に特に反応します。
鉄則5:テント周辺に防虫結界を
森林香をテントの対角線上に2箇所以上設置。風上側に重点配置。
鉄則6:肌の露出を最小限に
露出部分には虫除けスプレーを塗り残しなく塗布。汗で流れたら塗り直し。
鉄則7:香りに注意
香水や香りの強い柔軟剤はNG。甘い香りはハチを、汗の匂いは蚊やアブを引き寄せます。
虫除けグッズ完全ガイド
虫除けスプレーの選び方
有効成分は「ディート(DEET)」と「イカリジン」の2種類。
| 項目 | ディート | イカリジン |
|---|---|---|
| 効果対象 | 蚊、ブヨ、アブ、マダニ等多数 | 蚊、ブヨ、アブ、マダニ |
| 持続時間 | 約5〜8時間(30%) | 約6〜8時間(15%) |
| 年齢制限 | あり(30%は12歳〜) | なし |
| 肌への刺激 | やや強い | マイルド |
おすすめスプレー
【大人向け】サラテクト リッチリッチ30
ディート30%配合。持続時間約5〜8時間。12歳以上対象。
【家族向け】天使のスキンベープ プレミアム
イカリジン15%配合。年齢制限なし。子どもから大人まで使用可。
蚊取り線香・防虫線香
パワー森林香(児玉兄弟商会)
キャンパー御用達の最強防虫線香。有効成分メトフルトリン配合。通常の蚊取り線香の約2倍の太さで煙量が多く、燃焼時間は約5〜6時間。30巻入り約1,700〜2,000円。
赤箱の「パワー森林香」と緑/黄箱の「森林香」がありますが、効果が高いのは赤箱。太いのでターボライターでの着火がおすすめです。
その他必携グッズ
ポイズンリムーバー:刺された直後に毒を吸い出す。ブヨ・ハチ対策に必携。約1,000〜2,000円。
ステロイド配合かゆみ止め:ブヨに刺された場合、市販のかゆみ止めでは効果不十分なことも。
服装による虫対策
推奨服装
- 上半身:長袖シャツ(白・ベージュ系)、袖口がしっかり閉まるもの
- 下半身:長ズボン、裾をブーツにインできるタイプ
- アクセサリー:ネックゲイター、帽子、厚手の長めの靴下
NGな服装
黒や濃紺の服、半袖・ショートパンツ、サンダル
子ども・ペット向け
子ども:長袖長ズボン+イカリジン配合スプレー(年齢制限なし)
ペット:獣医師処方のノミ・マダニ駆除薬を事前投与。帰宅後は全身チェック。
刺された時の応急処置
蚊に刺された場合
患部を洗い流し、市販のかゆみ止めを塗布。掻きむしらない。
ブヨに刺された場合
- すぐにポイズンリムーバーで毒を吸い出す
- 患部を洗い流す
- ステロイド配合の塗り薬を塗布
- 腫れがひどい場合は冷やす
病院受診の目安:腫れが広範囲、発熱を伴う、1週間以上改善しない場合
マダニに噛まれた場合【重要】
自分で取らず、そのまま皮膚科を受診。無理に引き抜くと頭部が残り、感染リスクが高まります。刺された日時と場所を記録し、数週間は発熱や発疹がないか経過観察を。
関連記事:キャンプ初心者向けファーストエイド
虫対策の実践例

設営時|到着したらまず「結界」を張る
キャンプ場に到着したら、テントを張る前に森林香に火をつけます。設営作業中は動き回るため汗をかきやすく、虫に狙われやすい状態。作業に集中していると刺されていることに気づかないことも多いんです。
- テントの対角線上に2箇所:四隅のうち風下側の2箇所に設置
- リビングスペースの風上側に1箇所:煙が流れてくるように配置
- 自分の近くにも1箇所:携帯防虫器を腰にぶら下げて作業
この「先に結界を張る」習慣をつけてから、設営中に刺されることはほぼなくなりました。
就寝時|テント内を「虫ゼロ」にする儀式
就寝前の15分間、私は必ずこのルーティンを行います。
- テント内の虫チェック:ランタンを点けて隅々まで確認。特に天井の角や寝袋の中
- インナーメッシュの確認:小さな隙間も見逃さない。ファスナーは完全に閉める
- 外の森林香を消火:火災防止のため確実に。水をかけるか砂をかぶせる
- 虫除けスプレーの塗り直し:寝ている間に効果が切れないよう、露出部分に塗布
テント内に1匹でも蚊がいると、耳元の羽音で眠れなくなります。この「虫ゼロ儀式」は快眠のために欠かせません。
食事中|「匂い」と「光」の管理がカギ
焼肉の香ばしい匂い、ビールの甘い香り…キャンプ飯は最高ですが、虫にとっても魅力的。食事中は特に注意が必要です。
- 森林香をテーブル周りに:食卓から2〜3m離れた位置に2箇所。煙が食事にかからない距離で
- 甘い飲み物は蓋付き容器に:缶のまま放置するとハチが入り込むことも。シェラカップより蓋付きタンブラー推奨
- ランタンは食卓から離す:光に虫が集まるので、メインランタンはテーブルから3m以上離して設置
- 食べ残しは即クーラーボックスへ:匂いの元を放置しない
撤収時|「朝イチ」を避けるだけで激変
実は撤収時が最もブヨに刺されやすいタイミング。朝の涼しい時間帯はブヨの活動ピークと重なるためです。
- 日が高くなってから撤収開始:可能なら9時〜10時以降に。朝食をゆっくり楽しむ口実にも
- 作業前に虫除けスプレー:汗をかく前に全身に塗布。特に足首・手首を念入りに
- 長袖長ズボンで作業:暑くても我慢。この30分の我慢が1週間の痒みを防ぐ
- 帰宅後は全身チェック:特にマダニは気づきにくい。入浴時に耳の後ろ、髪の生え際、脇の下、膝の裏をチェック
「早起きして涼しいうちに撤収」は一見効率的ですが、虫対策の観点からは最悪の選択。ゆっくり朝を楽しんでから撤収が正解です。
まとめ:春の虫対策 3大ポイント
1. 場所と時間を選ぶ
渓流沿いを避け、標高の高いキャンプ場を。朝夕の活動は控えめに。
2. 物理的に防ぐ
長袖長ズボン、明るい色の服、首元・足首をガード。
3. 化学的に防ぐ
虫除けスプレー+森林香の二段構え。
絶対に持っていくべきグッズ5選
- 虫除けスプレー(ディート30%またはイカリジン15%)
- パワー森林香+携帯防虫器
- ポイズンリムーバー
- ステロイド配合かゆみ止め
- 長袖の羽織りもの(明るい色)
この記事の対策を実践して、快適な春キャンプを楽しんでください!



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