「ソロキャンプを始めたいけど、車を持っていない」「渋滞のストレスなくキャンプに行きたい」——そんなあなたに朗報です。電車とバックパック1つで行くキャンプは、実は「最も自由なキャンプスタイル」かもしれません。
僕がソロキャンプを始めて10年。そのうち半分以上は、電車で現地に向かう「徒歩キャンプ」スタイルです。最初は「荷物、本当に背負えるのかな?」と不安でした。でも、ギア選びのコツさえ押さえれば、総重量8kg以下でテント・シュラフ・焚き火台まで揃えることだってできます。
しかも電車キャンプには、車では味わえない特権があります。
電車キャンプの魅力|車にはない3つの”自由”
🍺 キャンプ場で帰る日だってビールが飲める
車キャンプ最大のジレンマ、それは「運転があるからお酒を控えなきゃいけない」こと。電車キャンプなら、焚き火を眺めながら冷えたビールを飲むあの至福の時間に、何のためらいもありません。帰りも電車に揺られてうとうとできる。これ、本当に最高です。
🚃 渋滞ゼロ、到着時間が読める
連休の高速道路で3時間渋滞——なんて悲劇とは無縁。電車なら、出発時間も到着時間も分単位で計算できます。「あと何分で着く」がわかる安心感は、気持ちの余裕につながります。
🌱 環境にもやさしい、身軽な旅
車1台分のCO2排出量と比べると、電車は圧倒的にエコ。そして、バックパック1つに収まる荷物は「本当に必要なもの」だけ。ギアを厳選する過程そのものが楽しく、キャンプの本質——自然の中で「少ないもので豊かに過ごす」という体験に近づけてくれます。
電車キャンプの鉄則|バックパック1つに収める「3つの基準」
電車キャンプで最も大切なのは「パッキングの取捨選択」です。僕が10年かけて辿り着いた3つの基準を紹介します。
基準①:総重量は8kg以下を目指す
駅からキャンプ場まで徒歩20〜30分歩くことを想定すると、バックパックの総重量は8kg以下が快適ラインです。10kgを超えると、肩や腰への負担が一気に増して、キャンプ場に着く前に疲れてしまいます。
ギア1つ1つの重量を「グラム単位」で意識するのが鉄則です。100g違うだけで、トータルでは数百gの差になります。
基準②:「1アイテム = 収納サイズ2L以下」を意識する
45〜60Lのバックパックの中にすべてを収めるため、1つのギアの収納サイズが2L(2リットル)以下であることが理想です。テントやシュラフなど大きめのギアはやむを得ませんが、チェア・テーブル・焚き火台は「A4サイズ以下に収まるか?」を選定基準にしています。
基準③:「兼用できるものは兼用する」
たとえば、レインウェアは防寒着にもなる。テントのフライシートはタープ代わりにもなる。焚き火台の上にスピットを渡せばゴトクになる。「1つで2役」を意識するだけで、荷物はぐんと減ります。

【図解】バックパックのパッキング・層別イメージ

パッキングの基本は**「3層構造」**です。
- 底層(ボトム):シュラフ、着替えなど「キャンプ場に着いてから使うもの」。軽くてかさばるものを入れます。
- 中層(ミドル):テント本体、マット、焚き火台など「重いもの」。背中側に寄せて詰めるのが疲れにくいコツです。
- 上層(トップ):レインウェア、行動食、水筒など「移動中にサッと取り出したいもの」。
この層別を意識するだけで、同じ重さでも体感の負担がまったく違います。詳しいコツは後半の「パッキングのコツ」セクションでも解説します。
【厳選】徒歩キャンプを支える軽量ギアリスト
ここからは、電車キャンプに最適な軽量・コンパクトギアを、カテゴリ別に紹介します。すべてAmazon・楽天・Yahooショッピングで新品購入可能な、評価の高い人気アイテムです。
バックパック|すべての基本は”背負い心地”から
電車キャンプの相棒となるバックパックは、容量45〜60Lがベスト。40L以下だとギアが入りきらず、65L以上だと電車内で邪魔になりがちです。
おすすめ①:Osprey(オスプレー)Exos 58
登山用バックパックの名門・オスプレーが送る超軽量モデルです。58Lの大容量ながら、本体重量が約1.15kgという驚異的な軽さ。背面のメッシュパネルは通気性抜群で、夏場の電車移動でも蒸れにくい設計です。ヒップベルトのフィット感が秀逸で、重い荷物も腰で支えてくれるため、長時間の徒歩移動でも肩が楽。電車キャンパー御用達の一品です。
おすすめ②:Gregory(グレゴリー)Stout 60
「バックパック界のロールスロイス」と称されるグレゴリーの中で、コストパフォーマンスに優れたモデルです。60Lの容量で本体重量は約1.36kg。フリーフロート・サスペンションにより、荷物の重さを背面全体に分散してくれます。ポケットの配置が絶妙で、行動中に必要なものへのアクセスが良いのも魅力。初めての大型バックパックにもおすすめです。

テント|「2kg以下」が電車キャンパーの必須条件
テントは荷物の中でも最も重くなりやすいギアです。電車キャンプでは、総重量2kg以下のダブルウォールテントを狙いましょう。ダブルウォールなら結露に強く、前室に靴も置けるので、初心者でも快適に過ごせます。
おすすめ①:Naturehike(ネイチャーハイク)CloudUp2 アップグレード版
圧倒的なコストパフォーマンスで徒歩キャンパーに支持されているテントです。20Dシリカゲルナイロン素材を採用し、総重量は約1.73kg(ペグ・ロープ込み)。2人用サイズなので、ソロで使えばテント内に荷物を広げるスペースも十分確保できます。自立式かつダブルウォールで、設営もフックを引っ掛けるだけの簡単仕様。専用グランドシート付きなのも嬉しいポイントです。耐水圧はフライ・フロアともにPU4000mmと、山岳テント並みの防水性能を誇ります。
実売価格が1.5〜2万円前後と、同スペック帯のテントの半額以下で手に入るのが最大の魅力。「最初の1張り」として間違いのない選択肢です。
おすすめ②:モンベル(mont-bell)ステラリッジテント1型
日本が誇るアウトドアブランド・モンベルの定番山岳テントです。本体重量は約1.34kg(ペグ・張り綱・スタッフバッグ含む)。3シーズン対応のインナーテントに、別売のスノーフライやレインフライを組み合わせることで通年使用も可能。長辺側に出入口があり、キャンプでの使い勝手は抜群です。さすがモンベルの品質で、縫製・生地のクオリティは非常に高く、長年使い続けられる耐久性があります。
※フライシートは別売りです。本体+フライシートで約1.34kgとなります。
寝具|シュラフ&マットの”コンパクト革命”
寝具はテントに次いで荷物の体積を占めるギアです。ここを軽量化できると、パッキングに大きな余裕が生まれます。
シュラフ:Naturehike CW280 ダウンシュラフ
高品質な800FPグースダウンを280g充填した3シーズン対応のシュラフです。総重量は約630g、収納サイズは約25×15cmとペットボトル2本分ほど。快適使用温度は約9℃、限界温度は約5℃とされており、春〜秋のキャンプをカバーします。ダウンの弱点である濡れには注意が必要ですが、防水スタッフサックに入れてパッキングすれば問題ありません。この価格帯でこの軽さとコンパクトさは、電車キャンパーにとって心強い味方です。
マット:THERMAREST(サーマレスト)Zライトソル
クローズドセルマットの大定番です。重量は約410g、折りたたみ式でバックパックの外側にくくりつけて運搬できます。アルミ蒸着加工されたシルバー面を上にすると体温を反射して暖かさが増し、3シーズン通して使えるR値(断熱性)2.0を確保。パンクの心配がないため、エアマットのように「寝てる最中にしぼむ」という悪夢とも無縁です。耐久性が高く、多少雑に扱っても壊れない安心感があります。
バックパックの外付けが気になる方は、レギュラーサイズ(183cm)を半分にカットして使う上級者テクニックもあります。上半身分だけ敷けば十分という方にはおすすめです。
焚き火台・ストーブ|”A4サイズ以下”の超軽量モデル
「電車キャンプでも焚き火がしたい!」——大丈夫です。A4サイズ以下に収まる軽量焚き火台があれば、徒歩キャンプでも焚き火の夜を楽しめます。
焚き火台:ピコグリル398
スイスSTC社製の超軽量焚き火台です。キャンプ芸人・ヒロシさんの愛用品としても有名ですね。本体重量は約365g、収納サイズは約33.5×23.5×1cmとほぼA4サイズ。それでいて組立サイズは38.5×26×24.5cmと、市販の薪がそのまま乗るサイズ感です。V字に窪んだ火床が空気の通り道を生み、驚くほどよく燃えます。フレームとシェル(板)を組み合わせるだけの構造で、5秒で組み立て完了。スピット(串)を渡せば五徳代わりになり、クッカーを乗せて調理も可能です。
徒歩キャンパーが焚き火台を選ぶなら、まずはこれを検討してほしい逸品です。
シングルバーナー:SOTO レギュレーターストーブ ST-310
アウトドアバーナーの定番中の定番。コンビニやスーパーで手に入るCB缶(カセットボンベ)が使えるのが最大の強みです。本体重量は約350g。マイクロレギュレーター搭載で、気温が低い朝晩でも安定した火力を維持します。発熱量は2,500kcal/hで、お湯を沸かすのも、簡単な炒め物をするのも十分なパワー。
脚を折りたためばコンパクトに収納でき、別売のアシストレバーを付ければ点火もワンタッチ。電車キャンプでは「焚き火台で焚き火を楽しみ、調理はST-310で」という使い分けが最強コンビです。CB缶は現地のコンビニで調達すれば、荷物をさらに軽くできます。
チェア・テーブル|”座る・置く”を諦めない軽量ギア
「荷物を減らすためにチェアとテーブルは持っていかない」という選択もアリですが、やっぱりあると快適さが段違い。超軽量モデルを選べば、プラス1kgで”ちゃんとしたリビング”が手に入ります。
チェア:Helinox(ヘリノックス)チェアゼロ
ヘリノックスの名作「チェアワン」をさらに軽量化した最軽量モデルです。本体重量は驚異の490g(スタッフバッグ込み510g)。500mlペットボトル1本分の重さで、きちんと座面のあるチェアが手に入ります。収納サイズは35×10×10cmで、バックパックの隙間にスッと収まるサイズ感。耐荷重は120kgと見た目に反してタフ。座面高28cmのロースタイルは、焚き火との相性も抜群です。
チェアワンと比べると座り心地はやや柔らかめですが、焚き火を眺めながらゆったり過ごすには十分な快適性。徒歩キャンパーにとっての「座る贅沢」を叶えてくれます。
テーブル:SOTO フィールドホッパー ST-630
ワンアクションで展開できるソロ用ミニテーブルの傑作です。重量は約395g、収納サイズは約29.7×21×1.9cmとA4サイズに近いコンパクトさ。パッと開くだけでスタンドが飛び出す独自構造は、使うたびに感動します。天板はアルミニウム合金で耐久性が高く、フチには転落防止加工付き。テーブルの高さは7.8cmのロースタイル仕様で、チェアゼロとの組み合わせが最高です。
「テーブルを1つ持つか持たないか」で、キャンプの快適さは劇的に変わります。この395gは、間違いなく”持つ価値のある重さ”です。
【参考】電車キャンプ装備の総重量シミュレーション
上記のギアを中心に、3シーズンの電車キャンプ装備を組んだ場合の総重量をまとめました。
| カテゴリ | ギア | 重量(約) |
|---|---|---|
| バックパック | Osprey Exos 58 | 1,150g |
| テント | Naturehike CloudUp2 | 1,730g |
| シュラフ | Naturehike CW280 | 630g |
| マット | サーマレスト Zライトソル | 410g |
| 焚き火台 | ピコグリル398(ケース込み) | 450g |
| バーナー | SOTO ST-310 | 350g |
| チェア | ヘリノックス チェアゼロ | 510g |
| テーブル | SOTO フィールドホッパー | 395g |
| クッカー・カトラリー類 | チタンマグ+カトラリーなど | 300g |
| その他 | ヘッドランプ、ライター、ナイフ等 | 300g |
| 合計(食料・水・燃料除く) | 約6.2kg |
食料・水(1L=1kg)・CB缶を加えても、総重量は約8kg前後に収まります。これなら駅から30分歩いても大丈夫。電車キャンプは、ギア選びさえ正しければ”軽い”のです。
パッキングのコツ|重いものはどこに入れる?
荷物の重さが同じでも、パッキングの仕方で背負った時の快適さがまったく違います。ここでは、徒歩移動を前提としたパッキングの鉄則を解説します。
重心は「背中側の中〜上段」に
重いもの(テント本体・水など)は、バックパックの背中に近い位置で、やや上寄りに配置します。こうすると重心が体の軸に近づき、前かがみにならずに歩けます。逆に、重いものを底に入れると腰に負担がかかり、上に入れすぎると後ろに引っ張られます。
底にはシュラフ&着替え
軽くてかさばるシュラフや着替えは、バックパックの底(ボトム)に詰めます。クッション代わりにもなるため、背負った時に底が安定します。防水スタッフサックに入れておくと、万が一の雨でも安心です。
トップ&ポケットには「すぐ使うもの」
レインウェア、行動食、財布、スマホ、ヘッドランプなどは、上部の雨蓋やサイドポケットに入れましょう。電車の中で取り出すものもここに。「あれどこだっけ?」を防ぐのが、快適な移動の秘訣です。
マットは外付けOK
サーマレスト Zライトソルのようなクローズドセルマットは、バックパックの外側にストラップで固定するのが定番です。バックパック内の容量を圧迫しないので、他のギアを余裕をもって詰められます。

電車キャンパー向け「キャンプ場選び」のチェックポイント
車キャンプなら多少アクセスが悪くても問題ありませんが、電車キャンプではキャンプ場選びの基準が少し変わります。以下のポイントを必ずチェックしましょう。
✅ 最寄り駅からの距離とルート
最も重要なポイントです。「最寄り駅から徒歩30分以内」を目安にしましょう。キャンプ場の公式サイトに「駅から徒歩〇分」と記載があるか確認し、可能であればGoogleマップで実際のルートと高低差もチェック。舗装路かどうかも重要です。
✅ 送迎バス・路線バスの有無
駅からキャンプ場までの路線バスや、キャンプ場の無料送迎バスがある場合もあります。特に人気キャンプ場では、シーズン中の送迎サービスを実施していることがあるので要チェック。予約時に問い合わせてみましょう。
✅ 薪・食材の現地調達が可能か
荷物を極限まで減らすためには、薪と食材は現地調達が鉄則です。キャンプ場で薪を販売しているか、最寄り駅やルート上にコンビニ・スーパーがあるかを事前に確認しておきましょう。CB缶もコンビニで手に入るので、燃料は現地調達が可能です。
✅ チェックイン・アウトの時間帯
電車の本数が限られるエリアでは、チェックイン・アウトの時間と電車のダイヤを照らし合わせることが大切です。「14時チェックインなのに、駅に着くのが12時で2時間待ち」なんてことがないように、事前に時刻表を確認しておきましょう。
✅ 徒歩キャンパーへの理解度
一部のオートキャンプ場は車での来場が前提で、歩いて来る人を想定していない場合があります。予約時に「電車と徒歩で行きます」と伝えておくと安心です。フリーサイトなど、荷物を運びやすいサイトを案内してもらえることもあります。
よくある質問
電車キャンプに必要なバックパックの容量は?
45〜60Lがベストです。40L以下だとギアが入りきらず、65L以上だと電車内で邪魔になりやすいので、この範囲を目安に選びましょう。
バックパックの総重量はどれくらいに抑えるべき?
駅からキャンプ場まで徒歩20〜30分を想定した場合、8kg以下が快適ラインです。10kgを超えると肩・腰への負担が急増し、現地に着く前に疲れてしまいます。
電車キャンプでも焚き火はできる?
できます。ピコグリル398のようにA4サイズ・約365gに収まる軽量焚き火台を選べば、バックパックに収めて持ち運べます。薪はキャンプ場で購入すれば荷物を増やさずに済みます。
キャンプ場を選ぶ際に電車キャンパーが最優先で確認すべきことは?
「最寄り駅から徒歩30分以内かどうか」が最重要です。加えて、路線バスや送迎バスの有無、コンビニ・スーパーの場所、薪の現地販売の有無も事前に確認しておきましょう。
電車キャンプ初心者はまず何から始めればいい?
いきなりテント泊をするのではなく、バーナーとチェアだけ持って日帰りデイキャンプから始めるのがおすすめです。パッキングや移動の感覚をつかんでから、少しずつギアを増やしていくのがスムーズな始め方です。
まとめ|次の週末、バックパック1つで旅に出よう
電車キャンプは、「車がないからキャンプできない」を「車がないからこそ自由にキャンプできる」に変えてくれるスタイルです。
ギアを厳選し、グラム単位で軽量化を突き詰める過程は、ちょっとした冒険の準備に似ています。バックパックに必要なものだけを詰め込んで、電車に乗り、駅から歩き、自然の中にたどり着く。その一歩一歩すべてが「キャンプ体験」の一部です。
最後に、電車キャンプを始める方への3つのアドバイスを。
まずは日帰りデイキャンプから始めてみる。 いきなりテント泊はハードルが高いので、バックパックにバーナーとチェアだけ入れて、日帰りキャンプ場でコーヒーを淹れるところから始めてみてください。
ギアは一度に全部揃えなくていい。 まずはテントとシュラフとマット。焚き火台やチェアは2回目以降に追加すればOK。少しずつギアが揃っていく楽しさも、キャンプの醍醐味です。
失敗しても、それが一番の思い出になる。 パッキングがうまくいかなくても、テントの設営に手間取っても、大丈夫。次はもっとうまくやれます。そしてその「失敗した夜」のことを、きっと一番覚えています。
次の週末、バックパック1つで旅に出てみませんか。電車の窓から見える景色が、いつもと違って見えるはずです。




コメント