導入:3.11を前に考えたい「隠さない防災」とは?
「防災グッズは買ったけど、押し入れの奥にしまったきり……」そんな経験はないだろうか。せっかく備えた非常食の賞味期限が切れていたり、いざというときに懐中電灯の電池が液漏れしていたり。これは多くの人が抱える「防災あるある」だ。
そこで注目したいのが「フェーズフリー(Phase Free)」という考え方。これは「日常時」と「非常時」という2つのフェーズ(局面)の垣根をなくし、普段から使っているものが、いざというときにも役立つという発想だ。
一般社団法人フェーズフリー協会は、この概念を次のように定義している。
「日常時」と「非常時」という2つのフェーズをフリーにする、安心して豊かに暮らせる社会(フェーズフリーな社会)の実現を目指しています。― 一般社団法人フェーズフリー協会
つまり、防災ギアを「隠す」のではなく「見せる」「使う」ことで、日常の暮らしを豊かにしながら、自然と災害への備えができるのだ。
本記事では、デザイン性と機能性を両立した「今すぐ欲しくなる」フェーズフリーギアを厳選して紹介する。

【照明】インテリアとしても優秀なランタン
停電時に最も困るのが「明かり」だ。しかし、いざというときだけ使う懐中電灯は、電池切れや故障に気づきにくい。そこでおすすめなのが、普段はベッドサイドランプやインテリアとして使い、非常時にはそのまま持ち出せるLEDランタンだ。
おすすめアイテム①:Goal Zero Lighthouse Micro Flash
アメリカのアウトドアブランド「Goal Zero(ゴールゼロ)」の超小型LEDランタン。手のひらサイズながら最大150ルーメンの明るさを誇り、吊り下げ用フックと折りたたみ式の脚を備える。USB充電式で、フル充電から最大170時間の点灯が可能。
- 日常時:デスクライト、読書灯、キャンプのテント内照明として
- 非常時:停電時のメイン照明、避難時の携帯ライトとして
おすすめアイテム②:BALMUDA The Lantern
日本の家電メーカー「バルミューダ」が手がけるLEDランタン。クラシカルなデザインながら、調光機能で「キャンドルモード」から「読書灯モード」まで光の質を変えられる。充電式バッテリー内蔵で、最大50時間の連続点灯が可能。
- 日常時:リビングやベッドサイドのムード照明として
- 非常時:停電時の生活照明、夜間の移動用ライトとして
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おすすめアイテム③:Ledlenser ML4
ドイツの老舗ライトメーカー「レッドレンザー」のミニランタン。わずか71gの超軽量ボディながら、最大300ルーメンの明るさ。専用充電池と単3乾電池の両方に対応するハイブリッド電源方式で、非常時の電池調達にも柔軟に対応できる。
- 日常時:アウトドアのサブランタン、夜間の散歩用ライトとして
- 非常時:非常用持ち出し袋の常備ライト、乾電池が手に入れば長期運用可能
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⚠️ 安全上の注意
LEDランタンは発熱が少なく安全性が高いが、布や紙など燃えやすいものの上に長時間放置しないこと。また、充電式バッテリーは定期的に充放電を行い、劣化を防ぐことが大切だ。
【電源】日常のポータブル電源活用術
スマートフォンは現代の生活に不可欠なツールであり、災害時には情報収集・連絡手段として命綱となる。ポータブル電源は「非常時のため」と考えがちだが、日常的に使ってこそ真価を発揮する。
パススルー充電の重要性
ポータブル電源を選ぶ際に必ず確認したいのが「パススルー充電」機能だ。これは、本体を充電しながら同時に機器へ給電できる機能。つまり、コンセントに繋ぎっぱなしにしておけば、普段は延長コード代わりに使いながら、停電時には自動的にバッテリー給電に切り替わる。
おすすめアイテム①:Anker 521 Portable Power Station(PowerHouse 256Wh)
モバイルバッテリーで定評のある「Anker」のエントリーモデル。256Whの容量でスマートフォンを約17回充電可能。パススルー充電対応で、リビングのサイドテーブルに置いておけば普段使いの充電ステーションとしても活躍する。
- 日常時:リビングの充電ステーション、ベランダでのPC作業用電源
- 非常時:スマホ・タブレットの充電、小型家電の稼働
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おすすめアイテム②:Jackery ポータブル電源 300 Plus
ポータブル電源の代名詞的存在「Jackery」のコンパクトモデル。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、約3,000回の充放電サイクルに耐える長寿命設計。別売りのソーラーパネル「Jackery SolarSaga 40 Mini」と組み合わせれば、晴天時約4.5時間でフル充電が可能。
- 日常時:キャンプや車中泊の電源、庭仕事での電動工具充電
- 非常時:長期停電時のソーラー発電による電力自給
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ソーラーパネルは「日常から広げておく」がコツ
ソーラーパネルは非常時に初めて箱から出すのではなく、普段からベランダや庭で広げて使っておくことをおすすめする。理由は3つある。
- 設置に慣れる:角度調整や接続方法を体で覚えられる
- 発電効率を把握できる:自宅環境での実際の発電量がわかる
- 製品の初期不良を発見できる:いざというときに「動かない」を防げる
⚠️ 安全上の注意
ポータブル電源は高温多湿を避けて保管すること。また、ソーラーパネルは集光による火災リスクがあるため、使用後は必ず収納し、可燃物の近くに放置しないこと。定期的に充放電を行い、バッテリーの健全性を維持することも重要だ。
【調理】カセットコンロとクッカーの「出しっぱなし」収納
災害時にライフラインが止まったとき、「温かい食事」は心身の健康を保つ上で極めて重要だ。カセットコンロは災害対策の定番アイテムだが、普段キッチンで使っていれば、操作に迷うこともガス切れに気づかないこともない。
おすすめアイテム①:岩谷産業 カセットフー タフまるJr.
アウトドアでも使える高い耐風性能を持ちながら、コンパクトで収納しやすい「タフまるJr.」。マットブラックのボディはキッチンに出しっぱなしでも違和感がない。内炎式バーナーで風に強く、屋外での調理にも対応する。
- 日常時:食卓での鍋料理、ベランダBBQのサブコンロ
- 非常時:停電・ガス停止時の調理手段、屋外での炊き出し
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おすすめアイテム②:snow peak HOME&CAMPバーナー
日本を代表するアウトドアブランド「スノーピーク」が開発した、卓上ガスコンロの概念を覆す製品。使用時は五徳が展開し安定した調理が可能、収納時は円筒形に変形してキッチンのすき間に立てて収納できる。カーキ、シルバー、ブラックの3色展開。
- 日常時:ホームパーティーでのテーブル調理、キャンプのメインバーナー
- 非常時:省スペースで非常用持ち出し袋にも収納可能
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おすすめクッカー:UNIFLAME 山クッカー 角型 3
アルミ製の角型クッカーセット。四角い形状はインスタント麺がそのまま入り、スタッキング収納も効率的。フッ素加工で焦げ付きにくく、日常の調理器具としても実用的だ。
- 日常時:一人分の味噌汁づくり、アウトドアでのラーメン調理
- 非常時:少量の水で効率的に調理、食器としても使用可能
🔥 重要な安全注意事項
- カセットコンロは必ず換気の良い場所で使用すること。一酸化炭素中毒の危険がある。
- カセットボンベは40℃以上になる場所(車内、直射日光下など)に放置しない。破裂・爆発の恐れがある。
- 大きな鍋や鉄板でボンベ部分を覆わないこと。過熱による爆発事故の原因となる。
- テント内や車内など密閉空間での使用は厳禁。
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【寝具・衛生】クッションになる寝袋や多機能タオル
避難所生活や車中泊を余儀なくされたとき、睡眠の質は体力・精神力の回復に直結する。普段はリビングで使えるブランケットや、旅行にも持っていけるコンパクト寝袋を備えておこう。
👉 車中泊での避難を検討している方は「車中泊避難の防災セットと安全な就寝ルール」も参考にしてほしい。
おすすめアイテム①:NANGA ダウンブランケット
国産ダウンメーカー「ナンガ」の高品質ダウンブランケット。軽量かつ保温性に優れ、付属の収納袋に入れればクッションとしても使える。ソファでのひざ掛け、キャンプでの防寒、非常時の保温具と三役をこなす。
- 日常時:リビングのひざ掛け、車内ブランケット
- 非常時:避難時の防寒具、収納袋に入れて枕代わりに
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おすすめアイテム②:mont-bell ダウンファミリーバッグ #3
封筒型でゆったり眠れるファミリー向け寝袋。使用可能温度域4℃で、春〜秋のキャンプから冬の室内避難まで対応。ファスナーを全開にすれば大型ブランケットとしても使用できる汎用性の高さが魅力。
- 日常時:来客用の寝具、キャンプのメイン寝袋
- 非常時:避難所・車中泊での就寝具
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おすすめアイテム③:PackTowl Personal タオル
速乾性に優れたマイクロファイバータオル。通常のタオルの4倍の吸水力を持ちながら、絞れば何度でも使える。スナップループ付きで吊り下げ乾燥も簡単。旅行、ジム、アウトドア、そして断水時の衛生管理に重宝する。
- 日常時:ジム・プールの携帯タオル、旅行用タオル
- 非常時:断水時の体拭き、少ない水での洗濯後も速乾
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おすすめアイテム④:COCOON トラベルシーツ
シルクやマイクロファイバー素材の携帯用シーツ。避難所での就寝時、不特定多数が使用する毛布に直接触れることに抵抗がある人も多い。トラベルシーツがあれば、衛生面でも精神面でも安心だ。
- 日常時:海外旅行・バックパッカー旅の衛生対策
- 非常時:避難所の毛布の下に敷いて清潔を保つ
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まとめ:日常を豊かにすることが、最強の備えになる
本記事で紹介したギアに共通するのは、「普段から使いたくなるデザインと機能」を持っていることだ。
フェーズフリーの本質は、防災を「特別なこと」ではなく「日常の延長」にすること。押し入れの奥に防災リュックを詰め込むのではなく、毎日の暮らしの中に防災の要素を溶け込ませる。そうすれば、いざというときに「どこにしまったっけ?」「電池は大丈夫だっけ?」と慌てることはない。
フェーズフリーギア導入のポイント
- デザイン重視で選ぶ:「出しっぱなしにしたくなる」ものを選べば、自然と日常使いになる
- 定期的に使う仕組みを作る:月に一度の「お家キャンプデー」などで強制的に使用機会を作る
- 家族全員が使い方を知っている状態に:一人だけが知っていても意味がない
- 消耗品のローリングストック:カセットガスや電池は日常で使いながら補充する
3.11から十数年。あの日の記憶を風化させないためにも、そして次に来るかもしれない災害に備えるためにも、今日からできることを始めよう。それは決して「備える」という重荷ではなく、日常を少し豊かにするインテリア選びであり、週末のアウトドアを楽しむギア選びなのだ。

あなたの暮らしに、フェーズフリーという新しい視点を取り入れてみてほしい。
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参考リンク:
※本記事で紹介した製品の価格・仕様は執筆時点のものです。購入の際は各メーカー公式サイトで最新情報をご確認ください。




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