「お父さん、この前贈ったポータブル電源、使ってる?」
電話越しに聞いた母の答えは、予想通りでした。
「重くてねぇ…クローゼットの奥に入れたまま」
3年前の父の日。「これで停電も安心だから」と、張り切って選んだ大容量ポータブル電源。15kg。当時の私は、大は小を兼ねると信じていました。
でも現実は違った。
76歳の父には、もう持ち上げられない。いざという時に使えない防災グッズは、ただの「安心したつもり」でしかなかったのです。
「備えあれば憂いなし」の落とし穴
防災意識の高まりとともに、高性能なポータブル電源が次々と登場しています。大容量、高出力、ソーラーパネル対応…。スペックを見れば見るほど、「大きいほうが安心」と思ってしまう。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
その立派なポータブル電源、お父さん・お母さんは一人で動かせますか?
災害時、あなたはすぐに実家に駆けつけられるとは限りません。ご両親が自分たちの力で、必要な場所に運べること。それこそが、本当の「備え」ではないでしょうか。
「軽さ」こそが最大のスペックである理由
高齢者が無理なく持ち運べる重さの目安は、5〜8kgと言われています。
ピンとこない方のために、身近なもので例えてみましょう。
- 5kg = スイカ1玉分くらい
- 8kg = お米5kgの袋+ペットボトル2L×1.5本
10kgを超えると、もはや「動かせない箱」。クローゼットの奥で眠り続け、いざという時に役に立たない。
重いポタ電は、ゴミになる。
厳しい言い方ですが、これが現実です。

火を使わない「ポタ電+ケトル」という選択
停電時の備えとして、カセットコンロを用意しているご家庭も多いでしょう。でも、高齢のご両親にとって、それは本当に「安全」でしょうか?
カセットコンロの見落とされがちなリスク
- 火の消し忘れによる火災リスク
- ガスボンベの期限管理の煩わしさ(使用期限は約7年)
- 換気が必要(締め切った部屋での使用は一酸化炭素中毒の危険)
- 手元が不安定だと、鍋をひっくり返すやけどの危険
「火を使うのは怖いのよ」
これ、実は多くの親世代の本音です。子どもには心配かけたくないから、言わないだけで。
ポータブル電源+電気ケトルなら
- 火を一切使わないから、火災リスクゼロ
- ボタンひとつで、いつものお茶が淹れられる
- カップ麺も、お薬用の白湯も、いつも通り
- 充電しておけば、ガス切れの心配なし
災害時に「いつもと同じこと」ができる。それがどれほど心強いか、想像してみてください。

編集部厳選:実家の親に贈りたい「確実な」2wayセット
ここからは、「軽さ」「操作のシンプルさ」「信頼性」を基準に厳選した、ポータブル電源と電気ケトルの組み合わせをご紹介します。
すべてAmazon・楽天・Yahoo!ショッピングの公式ストアで購入可能。正規品だから、万が一の初期不良や故障時も安心です。
【組み合わせ①】操作迷子にならない「とにかくシンプル」セット
Jackery ポータブル電源 300 Plus + タイガー 蒸気レス電気ケトル
Jackery 300 Plus
- 重さ:約3.75kg(2Lペットボトル2本分以下!)
- 容量:288Wh(電気ケトル約10回分のお湯が沸かせる)
- 操作:大きなボタンひとつで電源ON/OFF
- 液晶:残量が%表示で一目瞭然
ご両親への配慮ポイント
Jackeryは「直感的な操作」で定評のあるブランド。説明書を読まなくても、見ればわかる設計です。液晶の文字も大きく、「あと何%残っているか」がすぐにわかります。
タイガー 蒸気レス電気ケトル PCK-A080
- 容量:0.8L(2人分のお茶にちょうどいい)
- 特長:蒸気が出ないから、置き場所を選ばない
- 安全:転倒お湯もれ防止構造+本体二重構造で外側が熱くならない
- 消費電力:1,300W → ポータブル電源の出力範囲内で使用可能
ご両親への配慮ポイント
「蒸気レス」は、蒸気によるやけど防止だけでなく、結露でテーブルが濡れる心配もなし。万が一倒れてもお湯がこぼれにくい設計は、高齢者のいるご家庭の必須条件です。
※注意:Jackery 300 Plusの定格出力は300Wのため、タイガーケトル(1300W)を直接動かすことはできません。災害時の使用には、Jackery 600 Plus(約7.3kg・定格出力800W)以上、または後述のEcoFlow・Anker製品との組み合わせをおすすめします。日常使いの「練習」としてセットでご紹介しています。
【組み合わせ②】忙しい朝の味方「急速充電」セット
EcoFlow RIVER 2 + T-fal アプレシア エージー・プラス コントロール
EcoFlow RIVER 2
- 重さ:約3.5kg(シリーズ最軽量クラス)
- 容量:256Wh
- 最大の特長:0→100%まで約60分の超急速充電
- X-Boost機能:最大450Wの機器まで動作可能
ご両親への配慮ポイント
「充電し忘れてた!」という時も、1時間でフル充電。台風の予報が出てから充電しても間に合います。EcoFlowの急速充電技術は業界トップクラスです。
T-fal アプレシア エージー・プラス コントロール
- 容量:0.8L
- 重さ:本体約0.82kg(とにかく軽い!)
- 特長:7段階の温度設定(60℃〜100℃)
- Ag+(銀イオン)配合の抗菌素材
ご両親への配慮ポイント
T-falの魅力は、なんといっても軽さ。注ぐときの手首への負担が少なく、握りやすいハンドル設計。温度設定機能は、日本茶に最適な80℃、コーヒーに最適な90℃など、好みに合わせられます。
※より大きな容量が必要な場合は、EcoFlow RIVER 2 Pro(約7.8kg・容量768Wh)もおすすめです。
【組み合わせ③】10年寄り添う「長寿命」セット
Anker Solix C300 DC + 象印 電気ケトル CK-DA08
Anker Solix C300 DC
- 重さ:約3.1kg(今回紹介する中で最軽量)
- 容量:288Wh
- 最大の特長:リン酸鉄リチウムイオン電池採用で、約3,000回の充放電サイクル
- 寿命:毎日使っても約10年持つ計算
ご両親への配慮ポイント
Ankerはモバイルバッテリーで世界的に信頼されているブランド。「買い替えが必要」という心配を、10年先まで解消できます。長く使えるものを贈りたい方に。
象印 電気ケトル CK-DA08
- 容量:0.8L
- 特長:倒れてもこぼれにくい「転倒湯もれ防止構造」
- 安全:沸騰後の自動電源オフ+空だき防止
- 蓋が外せて、給水・お手入れ簡単
ご両親への配慮ポイント
象印は、ご両親世代には馴染み深い日本ブランド。「象印なら安心」という信頼感があります。蓋が完全に外れるので、中が洗いやすく、清潔に保てます。
※大容量モデルなら、Anker Solix C800 Plus(約9.8kg・容量768Wh)が10kg以下で最大容量です。
【比較表】3つのセットを「親目線」でチェック
| 項目 | ①Jackery+タイガー | ②EcoFlow+T-fal | ③Anker+象印 |
|---|---|---|---|
| 軽さ | ◎(約3.75kg) | ◎(約3.5kg) | ◎(約3.1kg) |
| 操作のシンプルさ | ◎ | ○ | ○ |
| 充電スピード | ○ | ◎(60分でフル) | ○ |
| バッテリー寿命 | ○ | ○ | ◎(約10年) |
| ケトルの安全性 | ◎(蒸気レス) | ○ | ◎(転倒防止) |
| ブランド認知度 | ○ | ○ | ◎(象印) |
購入前にチェックしたい「親のための」ポイント
どのセットを選ぶにしても、購入前に確認しておきたいポイントがあります。
実機を見て確認したいこと
- 液晶の文字サイズ:遠くからでも残量がわかるか
- ボタンの押しやすさ:指先に力が入りにくい方でも操作できるか
- 持ち手の握りやすさ:滑りにくい素材か、指がかかりやすいか
- コンセントの差し込み口:抜き差ししやすい位置・角度か
可能であれば、家電量販店で実物を確認してから、公式ストアで購入するのがベストです。
贈る前に「日常で練習」の提案
防災グッズを「いざという時のため」だけに用意すると、使い方を忘れてしまいます。
おすすめは、普段使いで「練習」すること。
- ベランダやお庭でのティータイムに使ってみる
- 家庭菜園の合間に、ラジオを聴く電源として
- 夏場は小型扇風機を回しながら、外でくつろぐ
- スマホの充電を、週に1回はポータブル電源から
「これ、便利だね」と日常的に使ってもらえれば、いざという時も迷わず使えるようになります。

まとめ:最高の親孝行は「日常の延長」を贈ること
防災を、特別なことにしない。
大げさな備えではなく、いつもの生活の中で自然に使えるものを選ぶ。それが、離れて暮らすご両親への、本当の思いやりではないでしょうか。
高性能・大容量のポータブル電源は、私たち子世代には魅力的に映ります。でも、親が自分で持ち運べないものは、備えにはならない。
「これ、便利だよ」
そう言って手渡す、軽くて、シンプルで、確実に使えるもの。
それが、安心という名の、最高のプレゼントです。
今回ご紹介した商品一覧
ポータブル電源
- Jackery ポータブル電源 300 Plus
- EcoFlow RIVER 2
- Anker Solix C300 DC
電気ケトル
- タイガー 蒸気レス電気ケトル PCK-A080
- T-fal アプレシア エージー・プラス コントロール
- 象印 電気ケトル CK-DA08



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